アドレスホッパーとは?仕事や拠点、月にかかる固定費や生活費も細かく紹介

アドレスホッパーとは?仕事や拠点、月にかかる固定費や生活費も細かく紹介

「アドレスホッパーって名前は聞いたことあるけどなんなの?」

「アドレスホッパーに興味があるけど何から始めたらいいかわからない……」

こんなお悩みはありませんか?

最近ではバラエティや情報番組にも取り上げられ、気になっている方も多いと思います。

今回は僕が1年間アドレスホッパーを経験してきたからこそわかったことや、これからやってみたいという方へのアドバイスなどを共有していけたらと思います。この記事を読めばあなたもアドレスホッパーになれるはず!

アドレスホッパーの意味は?

アドレスホッパー 移動

アドレスホッパーとは、定住する住まいを持たずに移動しながら生活する人々のことです。この言葉の生みの親である市橋正太郎さんは、住所(アドレス)を転々と(ホッピング)するという意味でそう名付けたそうです。

アドレスホッパーは会社に出社せずともパソコンさえあれば仕事が完結する職業の人が多く、近年ではリモートワークの会社員も増加傾向にあります。「定住してない」「ずっと移動」というよりも、「自由に生活の場を移動する」というイメージです。

リモートワークやテレワーク、多拠点生活との違い

リモートワークやテレワークを中心とするノマドワーカーは、働く拠点(オフィス)を持たず、カフェやラウンジ、コワーキングオフィスなど、様々な場所で働いている人のことを指します。「場所にとらわれない」というのが大事で、固定の住居を持っているかどうかにフォーカスしたものではありません。

多拠点生活は別荘や実家などいくつかの生活拠点が存在しますが、アドレスホッパーには「中心拠点」と呼ばれるものがありません。いわば「無拠点生活」と言えるでしょう。

アドレスホッパーはホテルやゲストハウスに宿泊する

アドレスホッパーの宿泊場所は、ホテルやゲストハウス、民泊、シェアハウス、マンスリーマンションなどがメインです。僕はゲストハウスを利用することが多いのですが、人との関わりが増えました。

個人的には新しい出会いが増えてとても嬉しいのですが、プライベートの時間をより重視したい方は個室メインのホテルや民宿なんかがいいかもしれません。

最近宿泊の予約には「HOTEMA」というサービス使っています。各施設にコミュニティがあるのが特徴で、都内の提携施設にとっても安く泊まれるのでおすすめです。

アドレスホッパーのライフスタイルは案外普通

「毎日が未知な感じでワクワクしそう」「ずっと移動してるの大変そう」というイメージがあるかもしれませんが、アドレスホッパーの暮らしはみなさんが思っている以上に普通です。常に「移動の自由」があるだけなので、一つの施設にゆったり腰を据えたりすることも。

また、アドレスホッパーも一般の方たちと同様に生活があるため仕事をします。基本的にパソコンが一台あれば業務が完結するフリーランス系やリモートワーカーの人が多め。

デザイナー、ライター、エンジニア、マーケターの他に、フットワークが軽くなることで仕事に有利に働くカメラマン、営業、打ち合わせの多い士業(弁護士、税理士、司法書士など)などの他、一般のサラリーマンもいますよ。

アドレスホッパーのメリット

アドレスホッパー メリット

最近ではテレビ番組を始め、各メディアで取り上げられることの多いアドレスホッパー。

できるなら一度はやってみたいと思う人も多いはずです。

しかし「毎日ホテルやゲストハウスに滞在するのは結構お金かかりそう……」や「ずっとひとりでさみしくないの?」と心配する人もいるかと思います。

でも実はむしろ真逆なんです。僕が実際に経験したからこそわかったアドレスホッパーのメリットをご紹介していきます。

生活費や固定費を浮かせられる

アドレスホッパーになると、賃貸契約するよりも家賃が安くなることが多いです。たとえば東京23区に住もうと思ったら8〜10万/月くらいはかかります。

参考:「住宅・土地統計調査トップページ

以下は実際に先月僕が銀座のゲストハウスに泊まったときの生活費(固定費)です。

宿泊費(光熱費、水道代、Wi-Fi代込)40,000円
食費(自炊頑張った)20,000円
交通費2,000円
通信費(楽天モバイル)1,800円

最寄りの新富町駅から徒歩2分、海鮮が美味しい築地まで徒歩10分圏内の立地で、合計なんと62,000円でした。

実際はこれにプラスで変動費(交際費、医療費など)がかかっていますが、最低60,000円強あれば生きていけるって、なんだか幸福度が上がります。 

人との交流や出会いが増える環境

ゲストハウスやホステルなどの宿泊施設にはコミュニティが存在する場合が多いため、交流の機会が増えます。普段なかなか交わることのない、異業種の人や外国人に出会えるため、友達づくりや人脈を探しているという人にはぴったりでしょう。

荷物を削減できる

不必要なものまで買ってしまい、結局ムダにしてしまったことありますよね。

「旅行先で柄シャツを購入したが着る機会がなく、3ヶ月間眠ってる……」

「購入したのに読んでない本が積み上がっていく……」

似たような経験をされている人も多いのではないでしょうか。自宅にいると荷物を多く所有してしまい、自分にとって何が大切なのかがわからなくなってきます。その点、アドレスホッパーになると収納スペースがなくなるため、本当に必要なものしか残さなくなるのです。

今まで無駄遣いしていた分を旅費や趣味代に充てたりすれば、充実した日々になりますよ!

全国どこでも自由に暮らせる

場所に縛られないアドレスホッパーは毎日好きなときに、好きな場所で、好きな暮らしができます。各施設に友人ができたりなんかすると「今日はあそこにあの人がいるから行こう!」なんてことにも。

宿泊施設は全国どこにでもありますが、アドレスホッパーがよく利用するAddressやHafhなどのサブスクリプション型住居サービスに関しては、サービスごとに提携している施設数や地域に違いがあるので注意しましょう。

施設にコワーキングスペースやカフェがあるので費用が浮く

最近のホテルやゲストハウス、ホステルには、宿泊者が自由に利用できるおしゃれなカフェやコワーキングスペースが併設されている施設が多いです。僕の場合はフリーランスのWebライターの仕事をしているので、そういった場所を頻繁に利用しています。では、もし自分でお店を探さなくてはならない場合はどうでしょう。

たとえば平日6時間利用するとして、コワーキングスペースなら月額5000〜20000円かかります。カフェを利用する場合、一杯300円のコーヒーを頼むとして月に6000円程かかる計算に。

おまけに時間と労力も多少かかりますよね。カフェやコワーキングスペースが併設されているホテルやゲストハウスなら、それらの経費が浮くのでかなり助かっています。

アドレスホッパーのデメリット

アドレスホッパー デメリット

一見とても自由そうに見えるアドレスホッパーですが、不自由な面もあります。毎回施設を探さなければならなかったり、移動が大変だったり、周りから変わった目で見られたり……

まだまだ一般的とは言えないライフスタイルが故のデメリットもあります。知っておけば対策できるので、詳しくみていきましょう。

滞在場所の予約が面倒

予約をこまめに取らないといけない点は面倒に感じる人が多いかと思います。たとえば月に10回程度移動するとして、宿泊施設の予約に平均10分かかるとすると、それだけで月に1〜2時間の時間を使うことになります。

しかし、アドレスホッパーの特性上ここを避けて通るわけにはいかないので、どうしても面倒だという方は対策が必要です。

僕がおすすめする方法は、施設の滞在時間を長くしたり使い慣れているサービスで予約したりすること。慣れてしまえば負担が軽くなっていきます。

社会的な浸透が薄い

アドレスホッパーのライフスタイルはまだ一般に浸透しているとは言えず、最初のうちは周りから向けられる目が少しだけ気になりました。しかし慣れてしまえば何も感じませんし、むしろ自分にあったライフスタイルが見つけられてラッキーだと思うようになりました。

活動範囲が広いので移動が多い

アドレスホッパーは、常に寝床を探さなくてはなりません。また、活動範囲に制限がないので移動が多くなります。どこへでも行けるのは魅力でもありますが、体力的、精神的な負担にもなることも。

訪れる地域によっては、宿泊場所が簡単に見つからないこともあるため、ホテルやゲストハウスがどれくらいあるのか、移動前に調べることをおすすめします。

アドレスホッパーになる前にするべき重要なこと

メディア 登録

アドレスホッパーのライフスタイルは特殊だと言われることが多く、これまでの生活とは劇的に変化します。家を手放してから「うわ、失敗した……」とならないためにも、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

バーチャルオフィスや実家に住民票を移す必要がある

日本国民として生まれ、日本に住んでいる以上は、必ずどこかに住所を置き、住民税を払い続ける義務があります。それはもちろんアドレスホッパーも例外ではありません。

定住地はなくとも、住民票はどこかにおいておく必要があるのです。所得税や住民税は、登録上の住所の住民税率などに基づいて納税するため、必ずどこか決まった場所に移しておきましょう。

利便性を考えると、まず実家、難しければバーチャルオフィスがおすすめです。全国に多店舗展開しており、月額3,300円〜とお安いKarigoが使いやすいと思います。

郵便物の受け取りに困ることがある

意外と疑問に思われるのが郵便物や買い物の受け取り方です。アドレスホッパーは固定の住所を持たないため、少し工夫が必要になります。

結論から言うと、ネットショップで購入しした商品や簡単な書類などの受け取りは滞在施設の住所でOKです。ただ、クレジットカードなどの重要書類は本人でないと受け取れない可能性があり少し面倒かもしれません。

僕は重要な書類は実家に届くようにしています。実家に届くようにしておけば滞在場所が頻繁に変わっても、受け取り漏れや紛失等のリスクを極力減らすことができます。

クレジットカードやローンの契約

アドレスホッパーであってもクレジットカードやローン会社の審査に通過すれば、誰でも契約できます。しかしカードや書類を受け取る際、本人でないといけない場合が多いため、アドレスホッパーになる前に契約を済ませておくのがいいでしょう。

ちなみにクレジットカードやローン会社の審査の項目はこちら。

  • 信用情報の確認(過去の返済状況など)
  • 返済能力の確認(勤続年数、年齢など)
  • 資産・財産有無の確認(居住形態、居住年数など)

注目すべきは「勤続年数」の部分。それまで勤めていた会社を退職した場合は、勤続年数が再カウントになります。あまりにも転職を繰り返していると、不安定な人と判断されることもあるので注意しましょう。

荷物の選択が必要

基本的にアドレスホッパーは、バックパックやスーツケースで移動することが多いです。持ち歩く荷物は、移動に支障が出ない最小限に抑えるのがベスト。優柔不断な人には少々酷かもしれませんが、本当に必要なものとそうでないものを分ける必要があります。

持ち運びが難しいものは、荷物を保管してくれるサービスがあるので預けてしまうのもひとつの手です。ただ、荷物の量に応じて値段がアップするので、どちらにしても不要なものはおいていく覚悟が必要ですね。おすすめはサマリーポケット。月額250円〜洋服や家具を預かってくれます。

アドレスホッパーのQA

アドレスホッパー 解説

「アドレスホッパーっていいな〜。でも現実的にどうなの?」

アドレスホッパーの仕事やお金の面についての質問に答えていきます。筆者イチオシのサービスも紹介しているので最後まで必見!

仕事はライターやプログラマーなどのwebフリーランスが多い?

アドレスホッパーの仕事は、Web系のデザイナー、ライター、エンジニア、マーケターなど、パソコンがあれば業務完結できるものが多いですが、僕の知り合いで会社員として毎朝会社に出社している人もいます。

税金を払わないって本当?

先程住民票の移動について述べましたが、住所登録があるのでもちろん「住民税」は支払います。また、収入を得ている場合は「所得税」も支払います。

決まった住居があるかないかの違いだけで、みなさんと同じように納税するのが基本です。しかし、固定資産税などは特定の場所に居住していないため支払うことはありません。

自宅に定住とアドレスホッピングはどちらが安い?

これは人によって収入も支出も大きく異なるため一概には言えませんが、平均的にはアドレスホッパーのほうが安く済むかと思います。アドレスホッパーは交通費や交際費など変動費の波が大きいですが、光熱費や水道代、Wi-Fi代などの固定費が浮くことが多いです。

できるだけ固定費を下げたいということであれば、自炊ができる施設に滞在したり、部屋のタイプを個室からドミトリーに変えたりして工夫してみるのもよいかと思います。

アドレスホッパーの生き方は誰でも実現可能?

結論、誰でもアドレスホッパーとして生きていけます。

しかし、割合的に見ても仕事がリモートワークでどこでも働ける人のほうが継続性はあるかと思います。

ただ、会社員として会社に勤めながらこのライフスタイルを楽しんでいる人もいます。そういった人たちは、会社に出社できる範囲で多拠点生活をしたり、リモートワークの日や休みの日だけに絞ったりといったような工夫が必要といえるでしょう。

AddressやHOTEMAが有名なサービス?

アドレスホッパーになるにあたって、僕がおすすめするサービスが「ADDress」「HOTEMA」です。

サブスクリプション型住居サービスで人気のある「ADDress」は、月額4.4万(税別)で日本100箇所の空き家や提携宿泊施設に滞在できるというもの。ただ注意点としては、同時予約日数の上限が14日間で、同じ個室の連続滞在が最長7日間までということです。旅するような暮らしがしたい人におすすめです。

「HOTEMA」は“コミュニティのあるホテル”を主に扱うサービスです。こちらは1日〜長期の宿泊まで対応しており、LINEアカウントを友だち追加するだけで簡単に予約できます。各施設に「コミュニケーター」がいるので、不安や要望を聞いてくれるのも魅力です。

まとめ

オンライン 重要

今回はアドレスホッパーの概要やメリット・デメリット、準備しておくことなどについて解説しました。

アドレスホッパーは「家を持たない生き方」というのではなく、「人や価値観との出会いを自由に楽しむことができる生き方」です。

人は人との出会いで成長し、豊かになっていきます。実際に僕はアドレスホッパーになって感性が磨かれた結果、Web系のフリーランスになれました。まだ見ぬ経験や出会いとのきっかけを作り出してくれるアドレスホッパーというライフスタイル。きっとあなたの可能性をグッと広げてくれると思います。